来世にこの希望と深い愛を。
やっと病院に着き、望深の病室番号のところへ向かう。

私は息を切らして、ドアをノックした。呼吸が全然落ち着かなくて、今になって疲れがどっと湧いてくる。

看護師がドアを開けてくれて、望深の方を見た。

望深はぐったり寝込んでいて、いかにも体調が悪そうだった。

「あの、望深って」

「今、とても危険な状況なの。凄く病気が重い状態」

そう言われ、ゾッと鳥肌が立ち、息を飲んだ。

「望深は...望深は、大丈夫なんですか」

本当は、『死にませんか』そう聞きたかった。でも、流石にそれを聞くのはまずいかなと思い、言い方を変えた。

「...分からない」

分からない?

いや、それはそうか...。そうだよね。いや、でも...。

__怖い。

なんとか自分を納得させようと頑張ったけど、やっぱり無理だ。私は、怖いんだ。

望深を失ってしまうのが、どうしようもないぐらいに怖い。

現実を受け止められないでいると、周りが騒がしくなっていた。

「緊急!貴方は出ていって」

状況を理解出来ずに、私は病室の外へ出された。

望深は運ばれていって、どこかへ行ってしまった。

まるで遠い世界に行ってしまったような、そんな感じ。

私だけが取り残された気分で、ずっと、なにがなんだか分からなかった。

ねぇ、望深?どうしたの?なにが起こってるの?

怖いよ。私を置いていかないで、ねえ、望深__。
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