来世にこの希望と深い愛を。
目を覚ますと、白い天井が目に写った。

...病院?

そうだ、私、望深が運ばれてから意識がなかったんだ。

「希愛、起きた...?」

私の隣に目を向けると、お母さんが居た。心配そうな表情で、私を覗き込んできた。

「お母さん...」

ていうか、望深は?どうなったの?大丈夫なの?

パンクしてしまいそうなぐらい、頭の中が望深のことでいっぱいだった。

「望深ちゃんのことなんだけどね...」

なに?嫌だ、聞きたくない。いや、正確に言えば、聞きたいけど、聞きたくない。

「緊急で大きい病院に運ばれて、でも...助からなかった...」

...え?

どういう...こと?

悪夢でも見てるんじゃないかというぐらい、全く理解出来なかった。いや、理解したくなかった。

望深は、死んじゃったってこと...?

嫌...嫌だ。そんなの、絶対嘘だ。

頬にじんわりとした熱が広がってきて、涙が出ていることに気がついた。

「これ、望深ちゃんから」

そう言われて渡されたのは、一つの封筒だった。

中身を開けてみると、海月の模様の紙に、文字がずらーっと書かれていた。
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