学校イチモテる天然王子の溺愛が甘すぎて溶けそうです…!
「あ、ありがとうございます?」

「あの子は可愛いから、おまえなんかよりもいい男でも釣り合うくらいなのに!」

他の男の話をされ、イライラが募る。

雫が他の男と一緒にいるなんて、絶対に許せない。

「嫌です。雫は誰にも譲りたくない。俺は雫に見合う男になれるよう努力し続けます。だから、俺を認めてください!」

雫のお兄さんさんに認めてもらえれば、これからの雫との付き合いも安泰だ。

「…想像してたより、君は信用出来る男だな。雫が選んだ男なら文句はない。失礼な態度取って悪かった」

誠実に頭を下げる姿に、意外と常識のある人なんだと考えを改めた。

しかも、元々の顔の良さも相まって笑顔が色っぽい。

さすが雫のお兄さん。魔性の魅力だ。

「ありがとうございます、お兄さん」

「翠だ。翠って呼んでくれていいぞ」

「はい、翠さん。俺は羽月千歳です」

ふう。とりあえず、一件落着だな。

「ちなみに。千歳が大変なのはこれからだな」

「え?」

「うちの親父、親バカなんだよ。雫に対しては異常に溺愛しててな…。まあ、頑張れ」

遠い目でどこかを見つめる翠さんに、俺は冷や汗が出る。

これからどんな展開が待ち受けているのか。

想像しただけで、気が遠くなる思いがしたー。
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