新選組〈我武者羅物語〉

「一番隊！巡回、終了しました！」

新撰組の屯所内に声が響き渡る、
とても明るげな少女の声が…

後ろをついてきていた、一番隊の隊士たちの方へ振り返る

「みんなお疲れ様、各自部屋に戻ってね」

明るい青色の長髪で、体の小さな少女

新撰組の隊服を着て、可愛らしい少女には似つかわしくない打刀を、腰に差している

少女の言葉を聞くと彼らは、彼女に深々とお辞儀をして部屋の方に歩いていった…

彼らに手を振り見送る彼女の前に人相の悪い
男が、同じく新撰組の隊服を着て現れる

「沖田、今日の巡回はどうだった？」

「あっ、特に異常はありませんでした」

「行きつけのお団子屋さんが、今日もすごく賑わっていましたよ！土方さん」

少女は笑顔だ、

「そうか…」

土方は屯所の奥へ歩いて行った

「土方さんは相変わらず無口な人だなぁ」

「花音！」

聞き馴染みのある声が聞こえ、少し驚く…

声のした方へ振り返ると、新選組の隊服を着た黒い短髪の青年が立っていた、彼女は嬉しそうに口を開き、満面の笑みを浮かべる

「おかえり」

「ただいま！新八くん！」

これは、彼の物語…