御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
愛する人がそばにいてリラックスできているせいか、意外にもお産の進みが早く、子宮口もかなり開いている。


無痛分娩の麻酔をしているが、全く痛くないわけではない。麻酔なしの時より我慢できる感じだ。ただ、何かに押されている強い圧迫感があり、助産師さんからまだ押し出すなと忠告を受ける。


誰だよぉぉ、無痛分娩は痛みがなくて、いきみ逃しも必要ないって言ったの⁇
嘘つきーーって叫びたいよ。


麻酔のおかげで痛みが緩和されているが、私が痛みと圧迫感を感じる時がきっと一般で言う陣痛なんだろう。この短時間で繰り返される痛みと圧がくると、体が力み息を止めてしまう。そんな私を仁がソフロロジー式の呼吸法でいきまずリラックスできるようにリードしてくれ、テニスボールで腰辺りを押してくれるので助かる。


彼は一緒にマタニティクラスに参加してくれ、積極的に家でもマタニティマッサージをよくしてくれていた。沐浴の練習は私より上手だった。




いよいよその時が来た。子宮口は10センチに開き、翔子先生からいきむように言われて、何回いきんだろうか? さらに強い圧迫感が下りてきて、足の付け根に何かが挟まっている妙な感覚。それが赤ちゃんの頭だとは言われるまでわからなかった。つっかえていた頭が出て、ツルンっと体が出てきたのがわかる。スッと圧が消えていった。


「元気な男の子ですよ!」


男の子……、冬万君が来てくれた。


そばにいた助産師さんが教えてくれ、力強い泣き声が響く。


初めて冬万の泣き声を聞いた時、安心したと同時に次の子のことを考えた。二人目が生まれるまで30分かかる場合もあると聞いている。次の子はどれくらいで会いに来てくれるのか?


うさぎのように目を赤くした仁が臍の緒を切り終え、私のそばに来て頭を撫でてくれる。


「冬万が生まれたよ。もう少し、あと一人だから、頑張れ」

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