御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
私は今、社長室前の廊下で壁に寄りかかり、美愛と雅さん二人の話し合いが終わるのを待っている……、九条仁さんと。彼のスパイスとシトラスが混ざった、ちょっとユニークででも、上品な香りが鼻をくすぐる。

……好きかも、この香り。


残念ながら、私の予想が的中してしまった。問題児が美愛を非難し、彼氏との口論に発展したため、美愛と私が会議室を後にしたからだ。そんな私たちを追ってきた雅さんと九条さん。九条さんが社長室を提供してくれて、美愛たちは中で話をしている。


なんか居心地が悪いな、この人と二人きりって。別に彼が私に何をするわけでもない。ただこの人とは関わらないほうがいいと本能的に感じる。


あぁ、またあの言葉を思い出す、『この人はキケン、また傷つく』と。


一人で想いに(ふけ)っていると、不意に声をかけられ、びくっとしてしまった。


「さっきは名前も言う暇がなかったから、改めて……、九条仁だ。よろしく」

「は、初めまして。花村葉子です。こちらこそよろしくお願いします。」

「悪い、驚かすつもりじゃなかった」

「大丈夫です。少しボーっとしていたもので」

「そういえば、帰国したばかりだよな?」

「はい。金曜日の夕方に」


当たり障りのない世間話をしていると、美愛たちが話し合いを終え、出てきた。雅さんの誤解は解けたが、結局マンションに戻ってもっと話し合うらしい。


うん、この際、とことん話し合った方がいいよ、結婚前に。




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