御曹司様の一目惚れ人生ゲーム〜私はただ愛されたかっただけ〜花村三姉妹   葉子と仁の物語
一度マンションへ戻って仁のプレゼントを手に取り、ふと考えた。


もしかしたら、お泊まりセットが必要か……? いやいやいや、必要ないよね?


プレゼントだけをハンドバッグに入れ、ホテル9(クー)へ向かう。結局、まだ自分の気持ちがわからないんだよね。




ホテル9(クー)には仁専用の部屋があり、寝室とリビング、そして料理ができる小さなキッチンがあって、アパートのような感じ。着いて早々、お腹が空いている私のためにご飯を作ってくれた。


カウンターから料理する仁を見ながら会話を楽しむ。よく実家のキッチンで母さまとこんな風に話をしたのが懐かしい。


手際のいい彼が作ってくれたのは、トロトロの親子丼と味噌汁。デザートは私の好物『にはし庵』の白玉あんずあんみつを用意してくれた。


なんだろう、また元彼のジェイドと付き合っていた頃を思い出しちゃったよ。


料理ができない私は、デリバリーやテイクアウトに頼っていた。そういえばジェイドと食べる時は、いつも彼の食べたいものを注文していたな、中華やイタリアンって。一度ピザのトッピングを私が好きなものを注文したら、食べている間ずっと小声で愚痴ってた。


あれ、ジェイドとの食事って……、楽しくなかった?


でも私の記憶の中では、彼は優しくて思いやりがあるってことになってるよね? えっ、どういうこと?


仁は、彼の我を押し付けてくることは一切ない。むしろ、私の食べたいものをよく聞いてくれるし、二人で相談して決めたりもする。


どうして今さらこんなことを思い出したんだろう?
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