(二)この世界ごと愛したい
反省も意味を成さず、唇が重なる。
結婚断ったのに!?こうなるものだっけ!?メンタル鋼か!?
「んーっ!」
「…色気もへったくれもないな。」
あまりの抵抗におーちゃんは離れる。
かなり失礼なことを言いながら。
「な、にしてんの!?」
「なにって、初めてちゃうやん。」
「か…〜っ。」
関係ないと思うのは私だけでしょうか!?
回数関係ないよね!?あるの!?そしてどうして私が呆れられなきゃいけないの!?
「…。(これやな。このお嬢の可愛いとこ。男慣れしてへんからしゃあないんか。)」
「どいてっ!」
「いや、あー…。どうしよかな。」
「何を迷ってるの!?」
「男慣れさすんも大事ちゃうかなって、今考えてるとこ。」
「なっ、慣れたくないですっ!!!」
怖いよ!どうやって慣れさせる気なの!
「でもこのままやと疲れへん?」
「こんなことが起こらないように努力する方向で考えますっ。」
「気許した相手には隙だらけやからこうなるんやろ?」
「気を付ける!気を付けるからっ!」
呆れたおーちゃんが、溜め息を吐いた。
「気を付けられる奴は、大人しくこのまま下におったりせえへんねん。」
「んっ…!」
本日二度目のキスが落ちる。
おーちゃんが退いてくれないのに!?どう言う理論なの!?なんて理不尽なの!?