(二)この世界ごと愛したい



そんな日の翌朝。


この日、最後にもう一度昨日と同じことをするため朝から私はまた別の街へ飛んで。


少し時間を空けてから戻る。





「おーちゃーんっ!」


「んあ?」


「そろそろお城にエゼルタ軍来るから見に行こうー。」


「軽っ。」



まるで映画でも見に行こうと言うような誘い方をした私を軽いと言う。


私には予想通りの展開なので別に驚くこともない。




「おーちゃんは、嫌になったらみんなのところに行ってていいからね。」


「はあ?」



これから起こる戦いに、嫌気が差したら後ろから迫っているパルテノン軍の元へ戻っていいと伝えた。


今日の戦は、そんな戦なんだ。




「…行こっか。」



疑問符を浮かべながらのおーちゃんと共に、目的の城を目指して馬を駆けた。


その城周辺ですぐに異変を感じ取る。





「おーちゃんストップ。」


「城もう少し先やで?」


「この先は敵の数かなり多いから、これ以上馬で進むと見つかっちゃう。」


「何でそんなん分かんねん!?」



レーダー搭載されてるので。


私優秀なので。




「とにかく降りて。敵のいない方にゆっくり進むね。」


「…ほんまハイスペ。」


「あんまり嬉しくないけどどうも。」



とりあえず城が良く見える場所へ向かう。


場所はきちんと前もってリサーチ済みです。シオンに言われた通り準備は抜かりありません。




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