(二)この世界ごと愛したい
それでも、やはり慣れとは怖いもので。
ある程度時間が経つと、私は最早おーちゃんを背もたれにして寄りかかる。
「んー美味しいけどカイのお酒には負けるねー。」
「それ本人に言うたり。ひっくり返るほど喜ぶで。」
「おーちゃんとカイはいつから仲良しなの?」
「いつとか覚えてへんわ。」
そんなに前から仲良しなのかー。
「パパみたいだよねー。」
「…確かに似たようなもんやな。俺等兄弟、全員カイが面倒見てたようなもんやし。」
「そう言えばよーちゃん以外の兄弟まだ会ったことないね。会ってみたいなー。」
「何言うてんねん。もう一人会ってるやん。」
えー。そうだっけ。
お城にお邪魔した時かな。おーちゃん一応王家の血筋だって話だったもんなー。
「ワカは俺の姉貴。」
「…ええっ!?」
そ、そっち!?
ワカさんがお姉さん!?初耳ですが!?
「す…すごい人が多い…。個性溢れる兄弟、だね。」
「お嬢に言われたないけどな。」
「他にはー?」
「あとは文官の弟が一人と、喧しい妹が二人。」
楽しそうな兄弟だなー。
家族がたくさんいるって賑やかだろうなー。うちも負けてはいなかっただろうけど。主にハルがうるさいからなー。
「楽しそうだねー。」
「えらい今日は質問攻めやな?俺に興味湧いたん?」
「おかわりー。」
「無視か。」
変なことを言われたので、お酒を追加して貰う。
別に今までも興味がなかったわけじゃない。けど、王族とは時に話せないことも沢山あるだろうから。踏み込まないようにしていた。
今は、こんな場で、こんな状況なので。無礼講でお願いします。