(二)この世界ごと愛したい
仲良く会話しながら飲んで。
おーちゃんはまた他のグループに呼ばれて、移動して。またそこでも仲良く話して飲んで。
そんなことを繰り返している内に、徐々に朝日が顔を出す。
「ほなお前等、馬鹿騒ぎは程々にな。俺はお嬢と朝の内にカイのとこ戻るし。」
「ええー!オウスケさんも一緒に残りましょうよー!」
この城をパルテノンの城として守るために、色々やることはあるだろう。
この場には別の将軍もいて、おーちゃんは元々後処理をする予定ではなかったようだ。
「戻らなカイもうるさいし。何よりお嬢もっとちゃんとしたとこで休ませたいし。」
「それならオウスケさんも少しくらい休んでから行ってください。お体に障りますから。」
夜通し飲み続けたおーちゃんに、お水を渡して休むように伝えた兵はその場を離れる。
あれからずっと私を抱えたままのおーちゃん。
お酒の力もあって、実はかなり眠たかったんだろう。壁に寄り掛かり静かに瞼を降ろした。その間も、私を離そうともせず。まだまだしっかり抱きしめたまま。
眠る私を抱え、眠ってしまったおーちゃん。
周りはまた何て微笑ましい光景かと、その姿を見て思わずにはいられない様子だった。