(二)この世界ごと愛したい
私へ向かうイヴの拳を、とりあえず避けて。
お店を壊さないように宥めるところから始めなければならない。
「イヴちょっと待って。私ちゃんと起きるから。」
「一体いつまで待てばいいんだ!!!儂はずっと待ってここに居るんだ!!!」
「あー…おっきい声やめて。頭痛い。」
「ふざけるな!!!」
だめだ!逃げたい!めんどくさい!
なんで朝からこんな目に遭わなきゃいけないの!?
「っ、シオン…。」
「…これ何。」
私はまだシオンの側にいたもので、シオンが後ろから私の身体に手を回す。
これとはイヴのことでしょう。
「今取り込み中だから大人しく待ってて。」
「もう散々待ちました。」
「入り口にいたし、絶対今来たとこだよね?」
「とりあえず剣返してください。斬っとくんで。」
そうならないように取り上げたんですよ。
カイのお店を壊さないでください。
「別の男もたらし込んだか。この尻軽女め。」
「イヴ、とりあえず一回落ち着こう。もう品は届くだろうから待ってくれてもいいじゃん。それにあんまり外で素で喋らない方がいいと思う。」
「喧しいわ!お前が悪の根源だろうが!!!」
ダメだ。
宥めようにも怒りが先行しすぎてるな。一回外に出してまた焦がす方がいいか。
いや、昨日もここで炎使っちゃったし乱用はしたくない。