(二)この世界ごと愛したい
とりあえずお客さんの楽しいお話を聞きたくて、数人のお兄さん達と一緒にお酒を楽しむことにした。
いつもはおーちゃんがいてまともにお話も出来ないので、ちゃんとお話出来て嬉しいです。
「オウスケさんにも会いてえけど、嬢ちゃんと飲めるならこんな日もアリだ!」
「そんなこと言ったらおーちゃん拗ねるよー。」
「いやいや!オウスケさんもたまには譲ってくれてもいいと思うんだ!独り占めは良くねえ!」
「譲ってくれるかなー。」
あんまりイメージ出来ないなー。
おーちゃんは結構私と飲むの好きみたいだしなー。
この酒場でもそうだけど、お城落とした後の宴の席でも、私を離そうとはしなかったからなー。
「譲るわけないやろ。」
お客さんとお話してる間に、そんなおーちゃんが帰って来ました。
そして譲らない宣言をするもので、この場の皆さん肩を落としてしまっています。
「…シオンも、お客さん?」
「……。」
おーちゃんと一緒にシオンもご来店。
お酒を飲みに来たんでしょうか。まだ怒ってて無視されたのかと思ったが、これはたぶん硬直している。
「いらっしゃいませ?」
「…何その格好。」
「一言で言うならカイの趣味。」
私の趣味ではないですもん。
「お嬢、さっきの話やねんけど。」
「あ、うん。カイともお話して、微妙に私が悪かったかもしれないと思いました。」
「…微妙にか。」