(二)この世界ごと愛したい
微妙に反省してる。
二人のどちらかと付き合ってたら完全に私が悪いけど、そうじゃないし。
おーちゃんはお断りしてる。シオンに至ってはそんな話さえしてない。
「お二人含め、もう誰にもキスはしません。」
「え。」
「……。」
「私に怒ったのは、そう言うことだよね?」
そうでなければ怒られる筋合いはやっぱりないと思うんだ。
「…ハルの話になって思うところもあったから、態度悪くなったのも否めないし。私の伝え方も良くなかったから、ごめん。」
「え?あー…そうやったんや。」
「…こんな話になるくらいなら、もう好かれない方が楽だなって確かに思ったけど。」
「極端やな。」
相槌を打ってくれるのはおーちゃんだけ。
シオンは何も言わないが、聞いてくれているとは思う。
「で、でも…!嫌われるのも、嫌…かもしれない、です。」
「「……。」」
いよいよ二人とも相槌無し。
「…何時に終わんの?」
「え?」
「この店。」
「カイが終わりって言ったら終わり。」
「…その後空けといて。」
シオンさんからアフターのご予約入りました。
閉店後の時間となると、私かなり眠い時間帯なんだが大丈夫だろうか。遊びには行けませんが。
「…怒らない?」
「たぶん。」
「じゃあ、眠いから少しだけ…ね。」
私の答えに満足したのか、シオンはカウンターに座りに行ってしまう。
こんな夜遅くまでここに居て、帰る気はあるんだろうか。