(二)この世界ごと愛したい
「カイカイカイっ!」
「何やねん。」
「お嬢風呂入ったっきり出てけーへんねんけどっ!?」
「…お前な、少しは待つこと覚えなあかん。女の子は風呂時間掛かんねん。そしてその後何する気なん?俺混ざったらあかん?」
まだ店内にいるカイに、おーちゃんが階段から焦りの声を掛ける。
エロ親父ことカイが、下らない冗談を言いながらおーちゃんを揶揄う。
「もう待ったんやて!声掛けても返事ないし!でも入ってええんか分からんねんっ!」
「…お前もどこまで可愛さ出すつもりなん。」
「入るべきやろか。」
「当たり前のこと聞くなや!?お嬢が返事もせんなら倒れとるに決まってるやろ!?」
また高速でおーちゃんは上に駆け上がり、今度は迷わず脱衣所に飛び込む。
そして心配からその後を追って来たカイ。
「…寝てる?」
「…やな。」
力尽きたと言う表現が一番正しい。
バスローブ一枚で丸まって眠る私を見て、安堵の溜め息を二人揃って吐き出した。
「あー焦ったー。」
「とりあえず布団まで運んだり。酒もめちゃくちゃ飲んでたし、起きたら水飲まさな。」
「…心臓に悪いお嬢やわ。」
そんな私をおーちゃんがまたベッドに運んでくれて。ベッドサイドにカイがお水を用意してくれて。
優しい二人に頭が下がります。寝てしまっていますが。
そして、二人も今晩はこのまま帰ることになり。
翌朝また先に来たカイが私の様子を見に来ると、夜から何も変わっていない状況を見て小さく笑う。
この時はまだ、笑う余裕があった。
その後、お昼前におーちゃんも到着。カイ同様私の様子を見てまだ寝てると驚きつつも、昨夜の様子からまだ寝かせておこうと様子見。