(二)この世界ごと愛したい
しかし。
お昼を過ぎても夕方になっても変わらない状況に、流石の二人も困惑する。
「こんだけ起きひんとかある?」
「いや…でも熱はなかったし。疲れてるなら仕方ない…んかな?」
「とりあえず店開けて、下騒がしくなったら起きてくると思とこ。」
カイの予想は外れ。
下でお酒を飲んだお客さん達がどんちゃん騒ぎしても、おーちゃんが私に呼びかけても、私は目を開かない。
いよいよどうしようかと焦り始めた二人が、早めにお店を閉めてレンに連絡しようかと思い始めた時。
閉店後にも関わらず、お店のドアが開く。
「夜分に悪い。」
突然の夜の訪問にまずはお詫びして、現れたアレンデールの新将。つまり私の副将。
そして専属従者のるうさん。
「る、ルイって奴!」
「あ?」
「お嬢の、従者…!お前お嬢のこと詳しいよな!?」
「は?」
目覚めない私が心配で堪らないおーちゃんは、救いを求めるようにるうに詰め寄る。
「お嬢が起きひんねん。」
「…アイツ基本ずっと寝てんぞ。」
この場に私がいないのを良いことに、るうは失礼なことを言うが。
それを聞いても純粋に心配が勝っているカイとおーちゃんを見て、るうも少しいつもとは様子が違うのかと思い始める。
「昨日の夜からやで!?今日今までずっとやで!?」
「まだマシじゃねえか。」
「は!?丸一日寝るのがマシなん!?」
「酷い時は丸三日寝てた。」
私が居たらいらんこと言うなと絶対殴っている。