(二)この世界ごと愛したい
思考が上手く回らないとギブアップした私に、るうは呆れながらも少しだけ安心した様子。
疲れて眠いだけで、それ以外は元気だと再認識出来たから。
「で?」
「……。」
「他には?」
「…ありがと。」
お礼をほぼ強制的に言わされて、それを聞いてまた頭を撫でてからスマートに去って行く。
どこまでも格好良すぎなるうさんでした。
「うー…。」
「お嬢大丈夫か?」
「まだ眠いー。」
「次いつ起きる?」
可愛いー。
おーちゃんの心配の仕方が可愛いー。
るうにもちゃんとしろと喝を入れられたので、私はおーちゃんに目を向ける。
「心配…ごめんね。あと、一日だけ…。」
「一日また寝るん!?」
たぶん寝てしまえると思う。
レンがいつか言っていた。私は自己防衛の本能から睡眠を取るらしい。
今は寝て失った体力を戻さねばならない。
「…おやすみー。」
コーヒーも無くなったし。
るうもいなくなったし。
私の睡眠を妨げるものは何もないので。私はまた、机に突っ伏したまま眠りに落ちてしまう。
「あ、水飲ますのも食べさせるのも忘れとった。」
眠った後にカイがそんなことを申し訳なく思ったらしいが、あのるうが準備しなかったと言うことは。今の私にはそれはあっても摂取が難しいと言うことで。
寝てしまったものは仕方ないと、私が提示した残る一日をまた待つしかなくなった二人。
だけどるうが大丈夫だと教えてくれたことで、今日よりも心配の色は薄れていた。