(二)この世界ごと愛したい



ママが居なくなっても、私の旅の支度に明け暮れるるうをじっと見つめるハル。


るうも気にしないように努めているが、あまりにも何もしないハルがそこに居るもので思わず不満が漏れる。




「お前自分の仕事しろよ。」


「…リンに会いたい。」


「俺準備終わったし、家の具合見て来る。」


「…滅びろ。」



もうハルなんて放っておくことにしたるう。


あれからハルは大人になって対応を進め、ようやくるうのお家は工事に着工したらしい。



その進み具合を見にるうは出掛ける。ハルは未だ私の部屋から動くことが出来ず。


ただボーッとした時間が過ぎるだけ。





「…ハル様。」


「…あ?」


「執務室にお戻りください。いつまで休憩されているんですか。」


「…はぁ。」



こうして側近の人が無理矢理ハルに仕事をさせないと、ハルはこの場所に留まってしまうので。


こんなことが多々あるアレンデールでは、ハルを慮り私に帰って来て欲しいと思う人が増えるのであった。





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