(二)この世界ごと愛したい
「時間ないから早く行きたいんですけど。」
「そうだな。お前が余計な話させるせいでかなり遅れたな。」
「…おーちゃんごめんね。るうの妄言は気にしなくていいからね。私元気だからね。」
「誰が妄言だ。自分の生活力のなさ良い加減自覚しろよ。お前も迷惑ならはっきり言った方がいいぞ。」
完全に間に挟まれたおーちゃん。
しかしここで、おーちゃんは動物園のような一家で育った次男の力を発揮する。
「とりあえず、お嬢は今から眠いやろうし馬車でゆっくり休み。ほんでお前もわざわざ棘ある言い方すな。逆効果やって分かるやろ。」
「私もそうしようと思ってるけど…。」
「棘でも刺して分からせねえと聞かねえんだよ。」
「その棘に効果ないからこうなってんねやろ。お嬢が心配ならさっさと休ませた方がええんちゃう。」
素晴らしい立ち回りです。
あのるうが言い返す言葉もなく佇んでいます。
しかし、それも束の間。
「まず、こうならねえように手回ししてくれると助かったんだが。」
「俺のせいか!?」
「ここで生活してたんだからそうだろ。」
「でも本届いてから楽しそうに読んでて止めても碌に返事もせーへんし。寝てんの起こしたら機嫌悪いってお前が言うたやん。」
そうだそうだー。
るうが悪いー。
「好奇心の赴くまま好きにさせるとマジでコイツは廃人になる。」
「は、廃人…それはあかん!!!」
ああ、おーちゃん諦めないでー。