(二)この世界ごと愛したい
もう少し粘って弁護して欲しかった。
「お嬢?ちゃんと寝よな?」
「……。」
「帰って来たら俺も気を付けるようにするし。寝られへん時は寝るまでおるから。」
「う…。」
可愛すぎるんですが!?
そんなこと言われて異議を申し立てることは私には出来ません。
「それはやり過ぎだ。リンには近付くな。」
「は…はあ?何やねんお前?」
「さっきのは全部忘れろ。やっぱり俺が管理するからいい。」
「お前結局お嬢の健康より自分の浅ましい感情取ったな!?」
「取った。取ったからもう近付くな。」
「何て態度の悪い奴っ!!!」
ごめんなさいね。
るうの気まぐれに付き合わせてしまって。
もう私は付き合いたくないので、カイがいるカウンターの前に座る。
「ねえ、カイはどう?私女の子らしく見える?」
「こんな可愛え子生まれて初めて見たわ。」
「嬉しいー!嘘でも嬉しいっ!」
「嘘やあらへんよ。」
「カイは好きな人居たって言ってたじゃんー。その人には敵わないでしょー。」
カイは少し驚いて、私の髪に手を伸ばす。
頭に付いた蘭の花を見て、そのまま優しく笑う。
「…そうやな。ほなお嬢は二番目に可愛え。」
「二番でも嬉しいっ!」
「あのアホな二人どうする?そろそろ出発せなマズいんちゃう?」
「本当にどうしよっかー。」
思わず遠い目で、未だ大いに揉めている二人を眺めてしまう。
一人でさっさと行ってやろうか。