(二)この世界ごと愛したい
「ほな俺が送ったろか?」
「へ?」
「優しく極上のエスコートすんで?」
「…アリかも。」
カイの申し出にアリと答えると、光の速さで飛んできたるうとおーちゃん。
「あかん!カイはあかん!」
「リン行くぞ。」
カイを止めるおーちゃんと、すぐに私の手を取って歩き始めたるう。
見事にこの場を収拾するとは、大人は凄いな。
「あ、お嬢っ!」
「んー?」
後ろからおーちゃんが私を呼び止めた。
「…それ、やっぱ直視出来ひんから脱いで帰って来てな。」
分かってる分かってる。
着替えて帰って来て欲しいってことね。裸で帰って来て欲しいわけじゃないよね。
「あ…りがと?」
「あと、稽古の成果は要相談やから。状況ヤバなったら連絡して。」
「先生は厳しいなー。」
前回の稽古時に、初めて装具を外して貰って。
その力を試そうとしたんですが、これが見事に不発で。私には鍛えられた力を使いこなす操作が難しかったんです。
だからおーちゃんがこの遠征中は、まだ使ってはダメだと判断し許可が下りなかった。
「帰って来たらまた特訓してねっ!」
「ほんまにいつでもカイ放ってでも飛んで行くから。絶対言うて。」
「そんなこと言ったらカイが泣いちゃうよー。私は大丈夫だから、待っててね。」
「気を付けてな。」
見送ってくれた二人に、行って来ますを伝えて。
私はるうと共にエゼルタ行きの馬車に乗り込んだ。