(二)この世界ごと愛したい




「お、終わった…。」



私はその場にヘナヘナと座り込む。


二人に合格者のジャッジもう少し厳しくしてもらわないと私がキツい。



トキがいれば私の考えを汲んで二人に伝達してくれたんだろうけど。いないんですよね。





「疲れたー…。」




私はアキトに返してもらったハルの剣を見る。




アキトって、本当に読みにくい。


ハルに似ている部分は確かに多いけど、それ故に違う部分は全く読めない。





「…ハルなら…。」



きっと。


こうして私にモヤモヤと考えさせることなんてしない…なんて。比べることじゃないんだけど。



ここ数日でアキトの気持ちが行方不明になりました。




「おいリン。」


「…はい?」


「飯行くぞ。」


「今日はやめ……あー嘘。今行きますー。」




お腹空いてるわけでもないし断ろうと思ったけど、一生懸命用意してくれただろうハナちゃんが脳裏に浮かんだ。


私を呼んだアキトは、何食わぬ顔で歩き出す。




「お前ハナのことやけに気にかけるなあ?」


「ハナちゃん可愛いもん。」


「…お前には負けるけどなあ?」


「…目付いてる?」




突き放したかと思えばそんなことサラッと言うし。


マジで意味が分からん。




「お前等、極端に真逆だもんなあ。」


「……どうせ…。」




どうせ私は可愛くもなければ。強くもなれない。家のことだって何もできない。


そんなこと言われなくてもわかってますけど!!!




「あ?」


「…何でもなーい。私食べたら今日は読書します。」




そう意気込んで。


黙々とご飯を口の中に運び、やや強引に飲み込んで。



ご馳走様と手を合わせてからすぐにアキトの部屋に戻る。



もう今日は集中して読みたい。


アキトに邪魔されることなく、邪な人もいない、誰にも迷惑をかけない。そんな場所はこの城にあるだろうか。





「…あ、そうだ。」




私は持てるだけの本を抱えて。


ここに来た時と同じ窓から飛び上がる。




屋上はないけど、充分な広さの屋根がある。もうここで良いです。





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