(二)この世界ごと愛したい
風でページがパラパラするのが難点だけど。
でも、外の空気はやはり良いものです。
「ん?」
雨の気配が僅かにする。
雨だったら稽古は無しでいいんでしょうか。教えてください、トキさん。
稽古のことも考えつつだが、今日は集中して本を読み進めることに成功した私。
最初からこうすればよかった。
抱えて来た本を読み終えたので、追加の本を取りに行こうと再びアキトの部屋へ飛んで戻る。
「よいしょ。」
窓からまたお邪魔させてもらって。
部屋に入ると、寝台で眠っているアキトが目に入った。
「…また寝てる。」
本当に、暇なのかそうじゃないのか。
良く分からない人だ。
私はそんなアキトに興味本位で近付いて、起きないかどうか探る。
起きたらまた邪魔され兼ねない。
「……。」
よしよし。
ちゃんと寝てるな。
それにしても、アキトは静かにさえしてればイケメンなんだから。少しは黙ればいいのに。
無防備に眠る、そんな姿に思わず笑って。
ふわりとその髪を触ってみた。
「…おやすみ、アキト。」
私はまた追加の本を手に取って、再び屋根の上へ昇る。
読みながらも。
どうか良い夢をと、そう願った。