(二)この世界ごと愛したい
追加分の本を読み終えると、流石に日も傾いてきたので。
時間外労働のため今日は読書終了。
アキトの部屋に戻るとまだ眠ったままで。
「…起こすべきかな。」
とりあえずサクだけでもいいんだけど。
サク終わってから呼びに来る?起こすの可哀想かもしれないよね?朝も怠そうだったし?
悩んだ私はとりあえずまた寝台に近寄る。
起きたら一緒に行こう。
起きなかったら置いていこう。
「アキトー。」
「……。」
「稽古どうしますかー?」
「……。」
アキトの隣に座って呼び掛けるも応答はない。
よし、置いて行こう。
そう決めた私が立ち上がると同時に、アキトが私の腕を瞬時に掴んだ。
「あれ、起きた?」
「…起こしてくれ。」
「えー引っ張ったらいい?」
掴まれた手を逆に握り締め、私は力一杯アキトを起こそうと引っ張る。
…が。
重すぎて全然上がらない!!!
「起きる気ある!?」
「お前の力が弱い。もっと引っ張れ。」
「はあ!?」
この力の足りなさを私は地味に気にしてるのに!!!
そして私とアキトの引っ張り合い…アキトは引っ張ってはいないんだけど。そんなことが始まった現場です。
「重い!痩せたら!?」
「頑張れ頑張れ。」
「もう!なんで私がこんなこと…!!」
いや、本当にそうじゃん。
何で私はこんなに必死にアキトを起こしてるんだ。ほっといてサクと稽古してやる。
「っあ…。」
私はアキトの手をさっさと離して、時間外労働しに行こうと思った。
けど、すぐ離せると思った手が逆に強く握られていることに気付かず。思わず体制を崩す。
「っ…。」
私はアキトの方へと倒れ込む。
けど、まだ怪我を負ってるアキトを潰すまいと腕で身体を支えた…ものの。
ほぼアキトの上に乗っている私。
…やってしまった。