(二)この世界ごと愛したい
天使だなんて。
そんなに褒められると悪い気はしません。
「へへー。」
「お前代われ!」
「おにーさんいっちゃうの?」
「んん行かないーっ!!!」
私が寄りかかってるお兄さんを、押し退けようと周りの隊士達が争い始めた。
…しかしここで。
アキトの目から私を隠していた隊士達が動いてしまったためにアキトの目が鋭く光ることに、現場は誰も気付かない。
「リンちゃんこっちにおいでー?」
「もおー猫じゃないよ?」
「いやもう可愛い子猫ちゃんだよー?お兄さんが可愛がってあげるからおいでー?」
どうにか私の肩を抱いたままのお兄さんから私を引き剥がそうと試行錯誤する隊士達。
そして私の前に両手を広げたお兄さん。
私は一人の人に寄りかかったままなのも悪いと思って、目の前のお兄さんに飛び込もうと動いた。
…けど、止まる。
「お前等どんだけ飲ませればこうなる?」
アキトが隊士達を少し睨みながら言った。
目の前のお兄さんから、私はアキトに視線を移す。
「ば、バレた!」
「隊長すんません!リンちゃんあんまり酒強いもんでつい…!」
「コイツずっとリンちゃんにくっついてました!!」
私が寄りかかっていたお兄さんは、誰かにそんな告げ口をされて血の気が引いていく。
「良い度胸だなあ?」
「うっ…。」
アキトがそのお兄さんに向かって歩き出す。
「らーめ。」
「っ!?」
「おにーさん怒っちゃらめれす。」
私はお兄さんを守るべく、アキトを捕まえた。
捕まえたと言うか、さっき両手を広げたお兄さんに飛び込めなかったのでアキトに思いっきり飛び込みました。