(二)この世界ごと愛したい
そこからもしばらく私とシオン将軍は口を聞くことはなく、食事を淡々と進める。
「トキ、王宮どうだった?私の書簡スーザン信じてくれた?」
「他でもないリンの頼みだからね。陛下は前向きに考えてくれてるけど、やっぱり追加の兵は時間がかかりそう。」
「そっかー。早く軍事回るといいんだけど。」
「あと陛下がまた王宮に来るようにリンに伝えてってさ。」
えー。しばらくはもう行くつもりないけど。
国家転覆を図った私が、そんなに度々王宮に行くのもどうかと思うし。
「それと、王宮でレンに会ったよ。」
「…えっ?」
「忘れ物取りに来てただけみたいだったけどね。」
レンが王宮に!?
「わ、私がここにいること言ってない!?」
「俺も言おうか悩んだんだけど、シオンと会う予定もあったし、うちの稽古そっちのけでまたイチャイチャされるのも困るし。アキトがまたうるさくなるし。だから黙ってたよ。」
「よかったー…。って、私レンとイチャイチャなんてしてた?」
「戦の最中でもしてたじゃん。」
あれはイチャイチャなの!?
私何もしてないのに!?
「あの戦は色んな意味で疲れたなー。」
「レンにまだ会ってないんだったよね?」
「…その内顔は見せるつもりだけど。私も今はこっちに集中したいし。レンに会ったらどうせまた怒られるし。」
「あれ?喧嘩別れしたの?」