(二)この世界ごと愛したい
朝方。
誰よりも早くアキトの部屋で目覚めたトキが、私がちゃんと眠ったか確認するために自室を訪れる。
「一体何時までやってたんだか。」
寝台の上に散らばる駒たち。
その側ですやすや眠る私とシオン将軍。
「アキトに見られたら俺まで怒られそう。」
けど、満足そうに眠った私と。
普段見ることがない穏やかに眠る兄の姿を見て。
まだ起こす気にならなかったトキは、そっと静かにドアを閉めて。先に他の隊士たちを起こしに向かう。
「はいはーい。みんな昨日飛ばした分今日はきっちり頑張ってよー。」
「今日はリンちゃんいますかー?」
「いるけどまだ寝てるから後で連れて行く。起きた人から先に行ってー。」
「俺リンちゃん起こしたいっす!」
「それで言うとアキト起こして来て。酔い潰れてまだ寝てるから。」
トキが素早く統率にかかり、私以外の準備が整ったところで再度私を起こすために部屋に戻る。
「…シオンは起きたんだ。珍しいね。」
「あーまだ眠い。」
トキが戻ってくる頃には先に目覚めたシオン将軍。
「いつまでやってたの?」
「…十戦はやらされた。」
「早く寝かせてって頼んだのに。」
「…俺も後悔してる。眠い。」