(二)この世界ごと愛したい
私のもうちょっと攻撃にかなり苦しめられたシオン将軍。
軍人たちから逃げながら、暑い中歩いていたらしいこの人は日中の疲れも相まってまだかなり疲れの色が残っている。
「甘やかさずに諦めさせないとダメだよ。リンの好奇心は底なしなんだから。」
「…あんまり楽しそうにするもんで。こっちが悪い気になる。」
「そこを我慢して寝かさないと次の日こうして辛くなるのはリンだよ?」
「…まだまだ子供だな。ハルが手放せないのも頷ける。」
そう言って眠る私の頭を再度そっと撫でたシオン将軍。
その姿を見て、トキは何とも言えない表情。
「間に挟まれるのはごめんなんだけど。」
「…アキトがどこまで本気か知らないし、邪魔するつもりもない。」
「そうなの?」
「ある種、俺の目的はもう達成してる。」
目的ってなんだろうとトキは疑問符を浮かべる。
「…昔、城から出たいって泣いてたから。」
「やっぱり覚えてるんじゃん。」
「それを叶えようとすれば嫌われたけど。」
「邪魔しないって本当?」
アキトの恋路の邪魔をしないと。
さっきは言ったシオン将軍だけど。言ってることとやってることが真逆すぎてトキには信じ難いらしい。
「…さあ?」
そう言って珍しく笑った兄と。
それを見てやれやれと頭を抱える弟。
そしてみんなを待たせているので、このままにしておけないトキが私を起こすことになった。