(二)この世界ごと愛したい
国境まで前線を押し上げることにはとりあえず成功したので、私は炎を鎮火し。
ここで初めて後ろを振り返る。
「…さっさと国境の守りを整えて。アキト軍の皆さんはもうお城に帰っても事足りるでしょ。後はよろしくねー。」
言いたいことだけを伝え、私は再び上空へ舞い上がる。
次は王宮に行ってトキに会おう。
ソルとの戦いを控えてはいるが、そっちでは必要最低限の炎しか使うつもりはない。
「それにしても、やっぱり慣れてくると反動も減ったなー。」
さらに、炎の放出量も増えた気がする。
私としては助かるけども。いよいよ向かう所敵なし状態で、どうしたものか少し寂しくもある。
でもでも!油断大敵!!!
戦いには謹んで臨みますとも!!!
そう意気込んで。
気付けば次の目的地であるセザール王宮の上空に到達。
この国で謀反を働いた私は、今じゃ反逆者であり罪人でもありますので。
正面から礼儀正しく入ることは出来ない。
…うん。上から無理矢理入ろ。