(二)この世界ごと愛したい
もうそろそろ隠れんぼも終わりにしてくれるかなーと思ったところで、バンッと部屋のドアが開かれる。
私は思わずビクリと肩が震える。
「あー!リンちゃんみっけー!!!」
「…あちゃー。」
「やったぜ!リンちゃんとのワンナイトゲットー!!!」
「ワンナイトって…。」
とりあえずこの見つけた隊士さんには、シオンは見えていないようでとても喜んでいる。
でも悪いけど気絶させて朝までグッスリ眠ってもらおうかな。
そんな性格の悪いことを考えながら、私はその隊士さんに歩み寄る。
「リンちゃん無礼講で頼むぜ。」
「はいはい。とりあえず私埃まみれでごめんね。軽くシャワー浴びてから行くよ。お部屋どこ?」
「ぐはっ…!」
自分で見つけといて。
この隊士さんはシャイなのか土壇場で真っ赤になって蹲る。
一先ずまたシオンが怒り出さないとも限らないので、私は隊士を連れて黙って部屋を出る。
私を見つけた隊士以外の人は落胆して、肩を落としやけ酒だと広間へ戻っていく。
「…大丈夫?」
「だだだ大丈夫。」
「お部屋の場所言える?」
「おお俺、一人部屋じゃないんで!この階のどこか空き部屋で!!」
「あーなるほど。オッケー。適当に探すから先行っててー。」
私は場所がざっくりでも決まったので、とりあえず汚れた身体をシャワーで洗い流すことにしました。
ハナちゃんがここに寝衣を数着、数種類置いてくれてるので、一先ず一番上のを着て綺麗にホカホカになった私。
「サッパリしたー。」