(二)この世界ごと愛したい
ミケさんと共にカイの酒場まで一人で帰ってきた私を見てカイが驚く。
ワカさんはもう帰ったようでいない。
「お嬢?オウスケは?」
「…知らない。ミケさん見つけて来たよー。」
「ああ、おおきに。けどお嬢一人であんまウロウロしたらあかんで。」
「一人でも大丈夫だし。」
何でおーちゃんとセットじゃなきゃいけないの!?
風船一つ守ってくれないのに!?
「喧嘩したん?」
「…別に。あ、カイ私もう一回出掛けてもいい?」
「やからオウスケ待っとき。すぐ戻って来るやろうし。」
「…あーじゃあもういいや。私ミケさんと上にいるねー。」
諦めた私はさっさと上に上がって。
ミケさん探すためだけに仕立ててもらった髪も化粧も服も、申し訳ないと思いながら取っ払ってシャワータイム。
「…ちょっと我が儘言い過ぎたかな。」
冷静になると、少し反省する。
おーちゃんはまたここに帰って来るってカイが言ってたけども。
私が大人になって謝るべきだろうか。
「うーん。」
どうなの?私が悪いの?
お金払ったのは確かにおーちゃんだし?でも失くしたのもおーちゃんだし?そもそもお金出してない私は文句は言えないのか?
そんなことを悶々と考えながらシャワーを終えて、もう傷は露見したので気にせず半袖でも何でも着れます。