(二)この世界ごと愛したい
「私に譲ってくれるー?」
護衛の一人に声を掛け、私は返事も待たずに刺客を討つ。
殺さないようにとは、元々そのつもりだったので私としても問題ない指示だけど。
刺客の皆さんもやはり弱くはない。
暗殺慣れしてる太刀筋が何とも厄介だけど、それでも私は負けません。
「どちらの方ですかー?」
「……。」
「…無視ですかー?」
「……。」
お返事もしてくれない刺客さん。
私は護衛の皆さんは私が声を掛けるまでもなく酒場の警護のために移動する。
「…あ、私一人でやるのね。助かるけど。」
とりあえず近くの刺客から倒しまくる。
もちろん命は奪わず。
すると勝ち目がないと分かった刺客が一人、この場を離れたので今度は逆に私が追う羽目になった。
「お嬢っ!」
カイが酒場から顔を出し、この場を離れる私に声を掛けるが。
今はこの刺客を追うのが懸命と判断しました。