(二)この世界ごと愛したい
セザール第一将の軍。
最近将を失う出来事が多かったセザールにおいて、これからアキト軍を軸にして組み立てて行く他道はない。
そのための、軍の強化。
「おいトキ、勝手に決めんな。」
「アキトは黙っててね。」
こうしてアキトを突っぱねると言うことは、強化してほしい力の中にはアキトも含まれると言うこと。
トキはやっぱり良く見えてるなー。
「…王宮に行くなら、スーザンに伝言を頼んでもいい?」
「陛下に会うのは嫌だから内容による。」
「トキの考えは分かった。私もその考え正しいと思う。だけど、たぶんそれじゃ足りない。」
「リンとは本当に気が合うね。」
足りない。
まだ、アキトの力はこんなものではない。
「アキト軍を、十万の規模まで持って行こう。」
騒めいていた周囲は静まり返る。
だけど、私は本気だ。
「あ、書簡の方が信じてもらえるならスーザン宛に簡単に書こうか?」
「それもそうだね。じゃあ明日から諸々よろしくね。」
「私が毎朝起きられるかは微妙だけど。多少の寝坊は寛大な心で許してくれると嬉しいですー。」
「大丈夫。その時は俺が優しく起こしてあげるよ。」
それはそれは。
毎日お説教スタートで始めたくないから、頑張って起きれるように努めてみよう。