(二)この世界ごと愛したい
こうして、私は足早にスーザンへの書簡を作成。
それをトキに託して、私はるんるんと軽い足取りでアキトと街に向かうために移動中。
「どの街行くー?私コーヒー飲みたいんだけど飲めるお店アキト知ってるー?」
「リン。」
「んー?」
「お前とトキの頭の中は理解出来ねえけど、十万は多すぎねえ?」
私はアキトを見てみる。
本当に疑問に思っているようで、それを見て私も思わず疑問が浮かぶ。
「…アキトって、変な人だね。」
「どこがだよ!?」
「特に不安そうには見えない。だからと言って憂いがないわけじゃないようにも見える。」
「俺を探るな!?」
まあ、すぐにどうこうなる話ではない。
追加で五万集めるのがそもそも大変だし、時間が掛かることだ。
「私もトキも、アキトはまだまだ上を目指せる将軍だと思ってる。」
「それは当然だ。」
「トキが私に頼んだのは、そんなアキトの才能を咲かせることだよ。」
乱れ咲かせ。
狂い咲かせる。
「確かに俺は才能の塊だ。」
「…否定はしないけど。まあ、自分でそう言えるのも才能だよね。」
「だからお前はあんま気負うな。俺が遊ぶって誘ったばっかりにトキに良いように使われて可哀想に。」
「その割には見捨てたよね!?」
すぐに私から目逸らしたくせに!!!