(二)この世界ごと愛したい
「…おかえり。」
「っ!」
すっかり目覚めた私は、部屋の窓枠に座り空を眺めていた。
おかえりと伝えると目を丸くするレン。
「何でビックリしてるの?」
「…まだ寝てるものだと思った。それに起きてもまだここに居てくれたんだって、ちょっと驚いた。」
「お礼も言わずに帰らないよ。」
「そっか。」
陽が落ち始め、私は夕焼け空にまた目を向ける。
「…レン。」
「ん?」
「本当はね、怖かったの。」
さっきは伝えられなかったこと。
私も起きて一人で頭と気持ちを整理して、上手くは説明出来ないが紡ぎたかった言葉を探した。
「レンに怒られるかもしれないって思って怖かった。それに、私はまたレンの瞳に吸い込まれそうで怖かった。」
「……。」
「…自分勝手な感情で、悲しい気持ちにさせてごめんね。」
レンは優しく笑ってくれる。
そして、そのままそっと私を抱きしめてくれる。
「…リンはずるい。」
「うん、ごめん。」
「…具合どう?」
「うーん。万全かって聞かれるとそうではない。」
だよねと、レンがまた笑う。
「俺は吸い込む力は持ってないよ。」
「…それは比喩なんだけど。レンって、なんか不思議だよね。」
「リンに言われたくない。」
「ごめん。」
レンが抱きしめていた腕を解き、私を見る。
その顔はどこか不満気に見える。
「謝ってばっかりだね。」
「あ、本当だ。」
「俺はリンを縛りたいわけじゃないよ。ただ、リンに会いたかったのは事実だから、それを分かってくれればいい。」
「…うん。」