(二)この世界ごと愛したい
先に休むと思われたレンは、未だテキパキと調薬や資料作成に勤しんでいる。
私はパルテノンから戻ったクロから、カイの返事を受け取り。
次はアレンデールへ手紙を飛ばす。
「…え。」
思わず私の声が漏れる。
それは、カイからの返事を見てその内容に驚いたから。
『戦お疲れさん。セザール第三王子の件は了解。予定あってしばらくおらんから、オウスケに対応任せてる。気を付けて帰っておいで。』
…カイいないの!?
「リン、どうかした?」
「あー…雇い主に会わせるつもりだったんだけど、予定があるみたいで。別の、一緒に働いてる人が対応してくれるのでもいい?」
「俺が我が儘言ったんだし、全然いいよ。」
レンはそう言ってくれるが。
おーちゃんは大丈夫なんだろうか。
再び黙々と考え込む私と、医術師としての勤めを果たすレンと。
時間だけが過ぎて行く。
そうこうしてる間にアレンデールからクロが早くも戻ってきた。
「クロ、お疲れ様。」
「ピー。」
「ん?アレンデールからも返事?」
ハルから手紙何て、いつぶりだろう。
そう思い少し胸を躍らせながらその手紙を開く。
「っ…。」
今度は思わず胸を打たれた私。
『会いたい。早く帰って来い。』
たったそれだけの殴り書き。
それだけの文字が、ハルの文字が、私に同じ感情を流し込む。
…会いたい。