(二)この世界ごと愛したい
「レン様に纏わりついてる女って、コレ?」
「こ、コレ…。纏わりついたように見えたならすみません。」
コレ扱い。
それも初体験です。
「レン様はこの国の王子。さらに神の手を持つ医術師よ。どこの誰だか知らないけど早く消えなさい。あなたのような小娘が近付いて良い方じゃないの。」
さて、どうする。
本来ならさっさと水浴びして、レンの部屋に戻るところなんだけど。
消えろだの小娘だの、散々な言われようで。大人しく部屋に戻してくれる雰囲気でもない。その上、ここで私が言う通り立ち去れば今度はレンにまた怒られる。
「ここは穏便に、そのレン様も交えて話しませんか。私の一存では何とも言えないんですけど。」
「そうやってレン様の温情を利用するわけ?」
「利用…そうですね。本人がいた方が話が早そうですし、そんなにお好きならきちんとお伝えした方がいいと思いますけど。」
「伝えてるわよ!!!」
おっと失礼。そうでしたか。
レンのことを好きな人って、気が強い女性が多いですね。怖いです。
「なのに何故あなたが選ばれるの!?」
「……。」
「私の方が綺麗で魅力的よ!あなたなんかレン様のなんの役にも立たないじゃない!!!」
「…仰る通りすぎて返す言葉もありません。」
本当に私何かより綺麗で魅力的な人。
私はレンの役には確かに立たないだろう。
「でも…、離れたくないんです。」
レンは人を惹きつける力が強い。
それは、優しさもそうだし。近付けば心が落ち着くのもある。
何よりあの瞳に見つめられると、その眼差しに吸い込まれるように引き寄せられる。
「綺麗でもなければ、魅力もない。レンの役にも立たないけど。それでも、レンが望む限りは…その進む道を、きちんと見届けたいと思ってます。」