(二)この世界ごと愛したい



部屋に着いてすぐ、私はレンから着替えを渡されてシャワーだけ浴びるようにと再度念押しされた。


身体をあまり冷やすなと追加で言われる始末。




「…行って来ますー。」


「うん、ごゆっくり。」



何だか、歯痒いな。


一度は結婚した仲なんだけど。セザール王宮では別室だったから、今更同室で過ごすのが…何か。



…今頃になって、新婚っぽい。




「〜〜っ…。」



私の馬鹿!!!


アキトの邪が移ってる!?!?



恥ずかしいことを不意に考えさせられた私は、逃げるように指示通りシャワーだけ済ませる。



レンがくれた着替えは、少し大きい。


たぶんレンの服を貸してくれたんだろうけど、こういう時は身の危険が増すことを経験している。



経験したが故に部屋に戻れない!!!




「ど、どうしよ…。」



せっかく貸してくれたんだから、そこに文句は言えない。


だからって何の策も講じなければ何をされるか分かったものではない。




「リン?」


「……。」


「大丈夫?」


「…大丈夫。」



扉一つ挟んで、一向に出てこない私をレンが心配してくれている。



私のこの考えは自意識過剰か!?実は全く何も起こらずこのまま寝て無事に朝を迎えたりするのか!?レンだしきょとんとして終わる可能性もある!?


悶々と考える私は中々この扉を開けない。





「…よし。」



うだうだしても仕方ない。


身体も少し怠い。レンは医術師だ。そして私は今病人。きっと大丈夫。レンの医術師としての心構えは本当に目を見張るものがあるし。




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