(二)この世界ごと愛したい
お風呂上がりのレンが出て来た。
私は咄嗟に酒瓶から離れ、何事もなかったかのように振る舞う。
「何してるの?」
「…なに…も。」
「……。」
熱いー。
喉も焼けてるー。
床に座り込んでいる私の元にレンが近寄るので、私は思わずレンを見上げる。
「…まさか、それ飲んだ?」
酒瓶を指差してレンに問われるので、私はダメ元で首を横に振る。
「…はぁ。」
溜め息を吐いたレン。
こっそり私がお酒を飲んでしまったことは、たぶんバレている。
「リン。」
「……。」
「勝手に飲んだことは怒らないよ。」
「ほ、んと?」
よかった。怒られなくて済む。
「立てる?」
「うん?」
何を当たり前のことを。
身体は熱いが、これでも最近は飲み慣れてるので。この量は全然許容範囲だ。
「っあれ?」
「…捕まって。」
立とうと思ったけど、上手く身体に力が入らない。
そんな私にレンが手を差し出してくれる。
「消毒用アルコールの原料だよ。少量なら身体に害はないけど、普通の酒の十倍は濃度が高い俺のオリジナル。」
「っ!?」
「風邪ひいた身体で飲んだなら、もう熱くて仕方ないよね。」
「れっ…。」
いつまでも座り込んだまま、差し出された手も掴めないまま。
そんな私をレンが抱き上げてベッドに運ぶ。
「目を離すと大変だ。」
「ごめ…ん。」
「…謝るのは俺の方だよ。」
二人で横になって。
レンの言葉に私は首を傾げる。