(二)この世界ごと愛したい
暁の光が差し込む。
夜明けが訪れるこの合図は、少し前までのレンの支えであり拠り所。
「…ん。」
私が目覚めたのは、この部屋のカーテンが開きっぱなしで。そんな光が直接降り注ぐから。
眩しいと、目を細めつつ目覚める。
「…へ…は?」
起きた私は自分の状況に驚く。
まだ眠っているレンが私を抱きしめている。それは、恐れ多くもよくあること。こんなことはよくある話。
しかし。
…私が、抱きしめてる?
「っ〜!!!」
何をしてるの私っ!!!
声にならない声が漏れ、私はすぐに腕を引きレンの腕の中から脱出する。
少し離れて気持ちを落ち着かせている。
「っび、びっくりしたー…。」
今までそんなことあってもハルにしかしたことないもん!人違いで先日シオンにやらかしたことはノーカウントで!
改めてレンの吸引力に恐れ入る。
まだ目覚めるには早かった時間だが、お陰様で完全に目が覚めてしまった。
「…リン?」
「あ、起こしちゃった?」
同時にレンも起こしてしまった。
「っ…!」
「レン?」
私を見て驚き固まるレン。
「え、どしたの?」
「……。」
風邪がやっぱり移ってしまったか?
驚き固まっているレンを見て、私は不思議に思いまた側に近寄る。
「…レン、大丈夫?」
「……。」
「体調悪い?」
「…ううん。大丈夫。」
良かった。
何事かと思った。
「前言撤回するよ。」
「うん?何の話?」
「人生で一番幸せなのは、今かもしれない。」