(二)この世界ごと愛したい



それから雑貨屋さんに寄って、お菓子も買って貰いつつ、アキトの城への帰路を辿る。





「楽しかったー!!!」


「この箱入りめ。子供みてえな遊び道具まで買いやがって。」



荷物は文句を言いつつもアキトが持ってくれて。



お花はハナちゃんにお土産。そして甘い物が好きだと聞いたのでトキに綿飴。これは私の分もあります。


隊士の皆さんにも数足りるか分からないけど、お菓子の詰め合わせをたくさん買ってもらいました。





「食べ物とお花はともかく。それは遊び道具じゃなくて明日からの稽古で使うんだよー。」


「どんな稽古だよ。」


「私もやるの久々だけど、考案したのハルだからアキトは割と楽しく出来そう。」


「鬼人の修行方法なのか!?」




目の輝き方が違う…。


ハルパワーすごいな。その変わり身にちょっとムカつくけど。





「早くトキと綿飴食べよー。」



街を散策しすぎて時刻は夕方。


早く食べなきゃ晩ごはんお腹空かなくなっちゃう。






城に戻り、トキの部屋に案内してもらって。


そこで机に向かって何やら作業しているトキを発見したんだけれども。





「う…わ。」


「アキトもリンもおかえり。楽しかった?」


「何この部屋っ!!!」




壁一面に貼られた地図。


そして戦場を見立てて作られた模型の様な造形物。さらに沢山の軍略に纏わる本の山。





私にとって、これほど楽しい場所はない。





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