(二)この世界ごと愛したい
しかし、心乱すわけにはいかない。
シオンの時に痛い目に遭ったんですもの。
「リンって国を追放されたんだよね?」
「あーうん。」
「今のリンは何か目的があるの?」
「…うーん。」
目的かー。
多種多様ありますけれども。
「国を離れたってことは、戦に関わることはないんだろうし。他にやりたいことあるのかなって気になってたんだよね。」
「…戦はしないけど。国を離れても、私はアレンデールを守るつもりだよ。それに付随する目的もあるにはあるし。ただ、敵が多くて面倒なんだけどねー。」
「やっぱ、リンは大人しく平穏に過ごすって難しいんだね。」
だねー。
そうなったら世界平和達成だねー。
「こんな力身に付けて、もう普通の人間でもなくなったし。せめて何かに役立てるようにするよ。」
「珍しく悲観だね?」
「そんなことない…って言いたいけどさー。変に狙われるし、怖がられるし。結構周りに悪影響ばっかりで悲観にもなってくるよー。」
「そっか。」
良いことなんてあんまりない。
便利ではあるんだけどなと不満を言う私を見て、レンが笑い掛ける。
「何笑ってるのー。」
「どんな力を持ってても、俺には可愛い女の子にしか見えないなって思って。」
「っ!」
やめてください、レンさん。
見事に情緒乱され、降下する素直な自分が憎い。
「この変人っ!!!」
「結構集中しないと飛べないんだね。気を付けるよ。」
「お願いしますっ!!!」
やっぱり変人だ。
どの視点から見ても普通の女の子ではない。ましてや人間かも怪しいというのに。