(二)この世界ごと愛したい
私は思わず吹き出して笑う他ない。
レンに悪意はないのは知っているが、おーちゃんがまた幼い容姿を気にしているのも知っている。
「俺は子供ちゃうわ!見たら分かるやろ!?」
「おーちゃんそれは無理があるよ。今日はどうしちゃったの?」
「第一印象ナメられんように…。」
「なるほど。でもあんまり意味ないよ。」
溢れ出る可愛さは全然収まってない。
「…ほんで、セザールの王子が何の用やねん。」
「あ、初めまして。レンです。」
謎のサングラス越しに、おーちゃんはレンを凝視していて。
レンは特に気にする様子もなく酒場を観察している。
「…お嬢、上でミケの様子見て来てくれへん?」
「えー自分で行けばいいじゃんー。私ちょっと疲れた。」
「先輩の言うことは聞くもんやろ!?」
「急に何なのー。」
先輩だの後輩だの今まで言わなかった人が。
急に先輩風を吹かすので疑問に思ったが、恐らくレンと二人にしてほしいんだろうと察した。
察したので、大人しく従おうと思います。
めんどくさいだけです。
レン、ごめんよ。
「おーちゃん、レンはお客さんだからね?丁重にね?これでも王子だからね?」
「あーはいはい。」
釘だけ刺して私は上の階に上がる。
実は到着してから気になっていた上の人の気配。これはたぶんカイ。
用事があるって聞いたと思ったけど、一体何だと言うんだ。