(二)この世界ごと愛したい
「はー…呆れた。守るって、お嬢は戦神やで?」
「確かに目の前で見てたから強いのは知ってるし、頭も良いよね。だから無茶ばっかりするし、自分の犠牲なんて二の次だし。」
「やから大体自分で何とかするやろ。」
「…何かを守るためなら死も厭わないくらい頑張りすぎる子だよ。」
レンも出陣したあの戦で。
それを目の当たりにしてしまったレン。
「だから、誰かがちゃんと見てないと。」
「…自分で守る気はないんやな。」
「勿論その時が来れば、少ない体力で頑張りたいとは思うけど。残念ながら俺がそれをやるとリンは逆に傷付きそうで嫌なんだよね。」
医術師であるレンを戦わせまいと、あの戦でも粘りに粘った。
そんなことをさせるわけにはいかなかった。
「医術師の俺を、リンは迷惑なくらい思いやってくれるから。」
「迷惑て。」
「実際そうなんだよ。誇りも立場もあるけど、俺にはリンより大事なもの何てないって伝えてるつもりなんだけど。」
「…そんだけ好きやのに、他の男に守らせてていいん?」
「欲を言えば側にいて一時も離したくないよ?」
不敵に笑う綺麗なレンを見て。
おーちゃんは顔を顰める。
「…お嬢の倍率マジで世界規模やな。」
「倍率?」
「ちょい待っとき。お嬢遅いから呼んで来る。」
「あ、うん。」
こうしておーちゃんは上の階に上がり、私とカイのいる部屋に足を運ぶ。