(二)この世界ごと愛したい
サングラスを外したおーちゃんが部屋に現れて、レンについての見解をカイに話している。
「カイ、悪巧みはなさそうやで。」
「そうか。取り越し苦労やったな。」
「悪巧みどころか、お嬢のことしか眼中にない脳内ハッピー野郎やったわ。」
…おい。
一体何の話をしていたんだ。
「私がレン連れて来たから迷惑掛けちゃった?」
「…突然他国の王子が来るって、そら警戒もするやろ。断るのも厄介やし。」
「そ、そっか。思慮が足らずすみません…。」
「悪い話でもないんちゃう?ええ金蔓になりそうやん?」
金蔓っ!?!?
まさかレンもお客さんにしてお金儲けを企む気ですか!?
「レンって無頓着だから商売にならなさそう。」
「お嬢の情報なら喜んで買うんちゃう?」
「…買うかどうか知らないけど。知ってる人がカモにされるの、ちょっと胸が痛むんですが。」
レン買うかな?
いや、買うかもしれない。粘着質だし。どうしよう。止めるべきか?
「商売の話なら俺も行こかな。」
「カイはてっきりレンに会いたくないんだと思ってたー。」
「王族の相手なんて面倒やからな。」
私は疑問だった。
王族を相手にすることとは、王族を顧客として相手にすることだと思う。
お金目的に私と雇用契約を結んだカイ。
正直お金を第一目的とするならば王族ほど相応しい相手はいないはず。
「…王族を煩わしく思えるのって、どんな立場の人だろうね?」
王族であるレンを警戒せざるを得なかった理由。
単純にお金儲けだけを考えられなかった理由。