(二)この世界ごと愛したい
「おーい、俺等は空気かー?」
カイはそう言って苦笑い。
おーちゃんはまた何故かサングラスを装着。
「〜っ…レン、街の散策行こう!」
「うん。」
「ほなオウスケも行き。」
「何で俺がっ…!?」
気持ちは分かるよ、おーちゃん。
私も逆の立場なら絶対行きたくない。
「その前にお嬢は着替え。王子は俺と少し話そか。」
「また着替えるの!?」
「カイ!俺は行かへんっ!」
ブーブーと文句を言う私とおーちゃん。
レンは話とは何だろうと不思議そうにしているだけ。
保護者的立場のカイは、一人一人取り纏め。いつの間に呼ばれたのかワカさん到着後まずは私を強引にこの場から離脱させる。
同じく騒ぐおーちゃんは、雑に外に出された。
こうしてレンと二人で話す場が設けられた。
「…喧しくてすまんな。」
「いえ。」
「お嬢の仕事のこと、どこまで聞いたん?」
そっとレンにお茶を出しながら、カイは率直に訊ねる。
「飲食店とだけ。」
「…そうか。」
「リンのことなので、隠したいんじゃなくて話すのが面倒だっただけだと思います。」
「せやろな。俺は一応この酒場の店主で、裏で情報売るのを生業にしてるんやけど。そっちもお嬢に手伝ってもろてる。」
情報…と。
ポツリと呟くレンは、あまり馴染みがない話だろうからいまいちピンと来てはいない。
「そこで、王子さえよければお嬢の情報売ることは出来るで?」
「…リンの?」
「お嬢は良心が痛む言うて乗り気やなかったけど、どないする?」
「じゃあいいです。」
「金には余裕あるやろうに、お嬢のことは知らんままでええの?」
「リンが僅かでも嫌悪するなら、そこを押し通したいとは思わないので。」
あっけらかんと断るレン。
カイも無理に顧客を増やしたいわけではないだろうが、恋するレンを面白がるように話を続ける。