(二)この世界ごと愛したい
本当に、どこまで本当なんだ。
この返事は信じてもいいんだろうか。
「…善処する。」
「……。」
「実は、ソルの要人の治療を頼まれてね。ここしばらく留守にするんだ。」
「…ソル…か。」
よりにもよって。
戦の最中の地へ赴けと言われたなんて、しかも相手はハルの軍。
「戦場からは距離があるらしいし、戦に関わるような人じゃないみたいだよ。」
「……。」
「今のリンと同じ顔したアキトが煩いくらい騒いで一緒に来てくれるらしいから、心配ないよ。」
「あ、アキトが…。そっか。」
分かりやすくホッとした私を見て、逆にレンが不満そうにする。
「リンって前々からアキトを過信してるよね。」
「はい!?」
「今もあからさまに安心してるし。」
「…そりゃ、レン一人だと心配だけど。アキトは将軍だし。」
そう言えばアキトはハルの戦を観戦に行くって言ってた気がするけど。
レンの仕事が終わってからトキに合流するのかな。
「ってことは、案外すぐ終わって早く帰って来られるんだね。」
「あれ、バレた。」
しばらく呼ばないと油断させて、帰って来てまたすぐ呼び付ける気だったな!?
「…別に呼ばないで欲しいなんて言ってないんだよ。ただ、私も気を付けてるけどこのペースだと遅かれ早かれ絶対誰かに見つかっちゃうし。そうなったら私呼ばれても来られなくなるよ?」
「それは困る。」
「だから気を付けてねって話を、ずっっっとしてるんですけど!?!?」
「分かった。会えないのは嫌だから極力呼ばないようにするよ。」
理解が遅いのよ!
そんなとこまでのんびりさんなの!?