(二)この世界ごと愛したい
「とりあえずしばらく会えなくなるから、その分のキスは今貰っててもいい?」
「な…っ!」
こ、この人って…!!!
そう直球で聞かれても、はいどうぞって言える強靭なメンタルは私にはないんだが!?!?
「いつもお構いなしのくせに。」
「え、配慮してるつもりだった。」
「…あれで?」
「…じゃあ、リンがストップ言って。」
よし。
即終わらせてお店に戻ろう。
「ん。」
「っ…。(キス待ち顔初めて見た。可愛い。)」
レンからのいつもの優しいキスが降り注ぐ。
「ストッ…っぅん!?」
すぐに離れてストップと言おうとした私。
それを言わせまいと、レンが私の後頭部を押さえて動けなくしてしまう。
…こんの姑息な手をっ!!!
「ちょ、まっ…〜〜っ!」
信じない。
レンのことなんかもう信じないっ!!!
結局また足に力が入らなくなるまで、まるで生気を吸い尽くされたように立てなくなるまで、レンのキスは止まず。
終わった頃には私は涙目で思いっきり睨むことしか出来ない。
「…リン。」
「……。」
申し訳なさそうな顔のレン。
しかし同情の余地はないはずだ。私は怒ってる。
いくら反省してる雰囲気を醸し出そうが、私が許すとは思わないでほしい。
「…もう一回したい。」
反省なんて微塵もしてないな!?