(二)この世界ごと愛したい



「エゼルタの姫は相変わらずだが、来年には政権交代も本格的になるんじゃねえ?」


「エゼルタの人間が不憫だな。あれが王女になれば、いよいよ国政は暗闇だ。」



すんごい言われ様だな、ユイ姫さん。




「…王女…。」


「ん?嬢ちゃん王女がどうした?」


「あ、ううん。お姫様から王女様になるって、色々大変そうだなって。」


「俺等みたいな平民には分からん苦労だろうな!」


「…そうだね。」



果たしてユイ姫さんに出来るのか。


国の痛みを受け入れる器と、覚悟があるのか。



今までの話を聞いてる限りでは、とてもそんな風には思えませんが。


いずれ、そんなことを聞いてみたい。




「この国の王様は名君なんだぜ!」


「パルテノン王?そうなの?」


「そうだぜ。国民誰もが認める名君だ。きっと優しいお顔だろうな!」


「えっ、王様の顔知らないの?」


「ああ。王の側近達なら知ってるだろうけど、国民は誰も知らねえよ。」



あ、ありえない。




「政務は?街に出て来ないと出来ないこともあるんじゃない?」


「覆面してるぞ。」


「覆面!?」



パルテノン王かなりの変人だな!?


けど、それくらいクセが強い人じゃないと私をこの国に留め置くことはしないかと妙に納得も出来る。




「そんな変な王様、私も会ってみたいなー。」


「嬢ちゃんなら王妃の座も狙えるだろうなあ!」



やっぱ変人だから独身なのか。




「狙わないし興味ないよ。」


「まずオウスケさんがいるから無理だな!オウスケさんも王家の血筋だし問題ねえぞ!嬢ちゃん!」


「……は?」




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