(二)この世界ごと愛したい
自分で起きれない私は、結局カイに朝起こしてもらって。
身支度を済ませ、寝覚めの一杯をいただき。
カイと二人で馬車に乗って揺られている。
「そう言えばエゼルタからの刺客はもう大丈夫?」
「んー。城の人間に頼んで何とか手回してもらってんけど。大丈夫かはまだ分からん。」
「そっか。私といると更に狙われちゃう気もするけど…。ごめんね。」
「アホやな。お嬢はその辺の刺客に負けたりせーへんやん。」
…うん。頑張ります。
「それで、どこ行くんだっけー?」
「俺の野暮用。ちょっと森の奥の方に、な。」
野暮用があると言う森。
行き先が森だと聞いて、どんな森なのかワクワクが止まらない私。
楽しみだと浮かれる私を見て、カイはどこか遠くを見ていた。
「…堪忍な、お嬢。」
小さな声で謝ったカイの声は、私には届かず。
馬車は目的地である森のほぼ中心地で停止した。
カイと一緒に馬車から降りると。
木々が覆い茂る緑一色。澄んだ空気。そしてどこか、心が浄化されるような綺麗な森の景色が広がっていた。
御者さんに待つように伝えたカイと、私はそのまま更に森の奥へ歩いて行く。